「ゴッドファーザー PARTⅡ」古今東西、最高の撮影監督はと問われればゴードン・ウィリスの名を挙げたい。
映画に携わる多くの人たちに尋ねてもそのサンプル数が増せば
増すほど、おそらくゴードン・ウィリスの名が多く挙がってゆくに違いない。
対抗馬にアカデミー撮影賞を過去3度も受賞しているヴィットリオ・ストラーロのような
全身芸術家の名も挙げられるが、何せ彼の場合はあまりにも映像にこだわるあまり
作品の内容やテーマと映像が乖離してしまうようなケースがしばしば見受けられる。
映像は文句なしに素晴らしいのだがこの作品に何故この映像なのかと
思ってしまうことも多く、少々濃厚過ぎるイタリア料理みたいなものだと思う。
そもそも日本でいうキャメラマンと撮影監督とはどこが違うのか。
ごくごく簡単にいってしまえば、撮影監督とは日本のシステムでいう
撮影部と照明部の長、そのすべてを統括している職務である。
日本のキャメラマンのようにキャメラをオペレートしたりはせず、
その広範にわたる重責の大半はライティングにあるといえる。
近年日本においてもこの撮影監督システムを積極的に採用している
“キャメラマン”も増加傾向にあるが、いってしまえばそれは我が国映画産業の
徒弟制度の崩壊に至る問題を孕んでおり、また日本人のメンタリティにも
関わる部分もあるのでそうそう簡単には移行しないであろうと思う。
映画をやっていたとき、ゴードン・ウィリスのドキュメンタリー映画を作りたくて
企画をたてたことがあった。
彼が撮影監督としては異例ともいえる絶大な権力ももっていたからこそ
あそこまで完璧な撮影をこなせたのだと批判的意見を述べる人もいる。
しかし、問題は彼がそこに至るまで、その地位を築くまでにどれほど前例や常識、
それまでの慣習などに囚われずに常に新たなチャレンジを行ってきたか、
そしてこの点が重要なのであるが、彼は“審美眼”に拘った徹底的な
完全主義者あること、そんなゴードン・ウィルスという天才に迫ってみたいと
思ったのであった。
現役の撮影監督、そのトップ3に入ると断言できるあのクリストファー・ドイルにも
尊敬されていたゴードン・ウィリス。
彼の代表作といえばやはり「ゴッド・ファーザー」。
中でもPARTⅡは抜きん出た傑作だと思う。
全編通じてあまりに完璧すぎて、どこのシーンが素晴らしいとは挙げられない。
この作品こそ映画撮影、その最高峰だといいたい。
ゴッドファーザー PartII / パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
Cinematographer Gordon Willis talks about Godfather