「息子のまなざし」映画の仕事をしていたとき、フランスのアートン社から
アーミニマという新型カメラが発売された。
スーパー16ミリで、しかも200フィートの専用フィルムしか使用できないカメラであった。
200フィートというと、実際には5~6分くらいの撮影しかできない。
(ビデオの感覚からするといかに短いものであるかわかると思う)
小型軽量なので何らかの使い道はあるのだろうが、
現実にこれといった使用方法は思い浮かばなかった。
その後しばらくして、「息子のまなざし」を観た。
何か初めて観るような、異様な緊張感に眼を見張った。
後になって、「息子のまなざし」はあのアーミニマで撮影されていたと知った。
あのカメラがなければ、あの緊張は生み出せなかったのではないか。
そう考えてみれば、被写体に迫り、どこまでも追ってゆくような
ダルデンヌ兄弟独特のスタイルにこそ、
あのアーミニマはふさわしいカメラなのだとわかった。
彼等の作品は、どの作品も一貫して観客を信頼して作られている。
だから映画は唐突に終わる。
この先はあなた自身が考え、答え出してくださいと委ねているのである。(T)
息子のまなざし / 東北新社
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Sacra cafeの本棚に「息子のまなざし」
「ロゼッタ」「ある子供」「イゴールの約束」のパンフレットあります。