「情婦」劇場で「シックス・センス」を観たときのこと。
例の、あの真実のラストが明かされたとき、
どういうわけか自分の前には関西弁を話す若いふたりの女性が座っていて、
「ほんま・・・ほんまに・・・これ、すごいわー」と興奮を押さえきれないように
語尾を上げて話していたことを憶えている。
「シックス・センス」は確か、映画の始まる前にブルース・ウィルスのナレーションで、
この結末は決して誰にも話さないでください、
といった内容のことを観客に伝えていた。
この作品、「情婦」はその元祖というか、ラストで、
この結末はまだ観ていない方のために決してお話にならぬよう、
といったメッセージが流される。
しかもこの作品、どんでん返しそれだけが売りの映画ではない。
名匠ビリー・ワイルダーによる洒落たユーモアとメリハリある演出、
これこそが映画だ言いたくなる映画的なキャメラワーク
(法廷のシーンで証人が呼ばれるときの緊張感、
ラストのデートリッヒと弁護士の対面シーン)など、
極めて完成度の高い娯楽作なのである。
そして特筆すべきは、ディートリッヒの凄みさえ感じさせる存在感。
昔はこんな女優がいたのである。
50年前にこんなにすごい映画を観た人たちは、
さぞかしびっくりしたことだろうと思う。(T)
情婦 [スタジオ・クラシック・シリーズ] / 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ISBN : B000JRYN9I
You Tube "Witness for the Prosecution”